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紙面から

8位美姫最後の最後4回転!/フィギュア

五輪初出場の安藤はSP8位につけた(撮影・鈴木豊)
写真=五輪初出場の安藤はSP8位につけた(撮影・鈴木豊)

<トリノ五輪:フィギュアスケート>◇21日◇女子SP

 フィギュアスケート女子の安藤美姫(18=愛知・中京大中京高)が初の五輪での演技を天国の父へささげた。ジャンプなどでミスが響き、順位こそ8位にとどまったが、亡き父幹高さん(享年31)への思いを込めてショートプログラム「戦場のメリークリスマス」を演じた。23日のフリーでは、世界の女子で安藤だけが成功している4回転ジャンプへの挑戦を、あらためて宣言した

 ピアノの旋律が五輪の舞台で静かに鳴り響いた。坂本龍一作曲の「戦場のメリークリスマス」。アカデミー賞デザイナーのワダエミさんの手でつくられた黒色の新衣装を着こなした安藤は、亡き父幹高さんへの思いを込めて夢舞台で舞った。「初めてこの曲を聴いた時、父のことを思い出したんです」。共同会見で涙を流した父への思いを、自ら切り出した。得点掲示を待つ直前、幹高さんに「パパ!」と手を振った。

 小学3年生だった96年6月、バイク事故で父を亡くした。美しいお姫さまのように愛されますようにと、幹高さんの名前から「みき」と名付けられた8歳の少女は、突然の悲報にショックを受けた。母明美さん(41)も傷心のあまり、リンクへの送迎ができなくなった。「父のおかげ」でスケートを始めた安藤は、泣きながら母に頼んだ。「突然行けなくなって、さぼった、嫌いになったと言われるのはいや。コーチには休むと電話して」。悲しみでいっぱいになりながら、父からもらったスケートへの強い思いがあふれ出た。「スケートが父と入れ替わった。生きがいを見つけた」。寂しさを忘れるようにスケートに打ち込んだ。

 生まれた時に両親から授かった「同い年」のスヌーピーの縫いぐるみをリンクサイドにしのばせた。ネックレスには両親の2つの結婚指輪。最初の連続ジャンプの後半で左手をつき、スパイラルでは、勢いあまってフェンスにぶつかった。56・00点は8位。3位荒川とは約10点差でメダルは厳しい。だが「順位を求めてここに来ているわけじゃないので」と秘めた思いを果たした満足感に浸った。「自己採点は61点。でもエンジョイ度は182点です」と笑みは絶えなかった。

 フリーでは、4回転ジャンプへの挑戦が待つ。昨季の世界選手権で挑まなかった悔いは、まだ残る。「練習で降りて満足しているところがあって」と笑わせながらも「失敗しても成功しても最後の最後。悔いが残らないように入れたい」。見る人の心に残る選手という目標。安藤のゴールが迫ってきた。

[2006/2/23/09:10 紙面から]



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