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紙面から

39歳ギブソン史上最年長V/スケルトン

<トリノ五輪:スケルトン>◇17日◇男子

 頑強な消防士が、冬季五輪個人種目の最年長金メダルに輝いた。スケルトン男子のダフ・ギブソン(39=カナダ)は圧倒的なパワーで、2回の合計1分55秒88をマークした。昨年12月末に死去した元五輪柔道代表候補の父シニア氏にささげる優勝を飾った。越和宏(41=システックス)は1分58秒05で11位に終わり、2大会連続入賞を逃した。今後の去就については明言を避けた。元甲子園球児の稲田勝(27)は18位だった。

 野獣のような雄たけびが、吹雪のアルプスに響き渡った。ギブソンは丸太のような両腕で、カナダ国旗を顔にペイントしたジェニファー夫人を抱きしめた。普段はもの静かな男が「夢がかなった。もう競技をやめてもいい」と絶叫。場内アナウンスは「最強のファイアー・ファイターだ」とカルガリー消防署隊員の勝利をたたえた。

 39歳の金メダルは、72年札幌五輪バイアスロン男子20キロのソルベルク(ノルウェー)の35歳を更新する冬季五輪個人種目の最年長記録になった。ベンチプレスで240キロ以上を挙げるゴリラのような肉体は、不惑の年を前にして衰えを知らない。1回目の滑走からチームメートで銀メダルのペインを抑えてトラック新記録の57秒80をマーク。さらに2回目は圧巻だった。相次ぐ事故で改修された「魔のカーブ」をパワーで克服した。壁に衝突してバランスを崩しながら、最後は肩で滑る怒とうのゴールで、2本ともトップタイムをたたき出した。

 西オンタリオ大時代はレスリング、スピードスケート、アイスホッケーの選手として活躍し、地元では有名選手だった。屈強な肉体を生かして、市民を守る消防士になっても競技を続け、96年からボブスレーを始めて2年後にスケルトンに転向。02年ソルトレークシティー五輪は10位で入賞を逃したが、04年の世界選手権で優勝し「氷雪が大好きな消防士」として話題になった。五輪柔道の代表候補だった父シニア氏、おじはボートのカナダ代表選手として五輪に出場した「五輪一家」としても知られている。その父は昨年のクリスマス前に他界。ジェニファー夫人は「ギブソンは悲しみを乗り越えてスケルトンに打ち込み、父に金メダルをささげた」と涙した。

 レース後は「もう年齢的に苦しいかな」と引退をほのめかしたが、ペインからも「バンクーバー五輪までやれる」と励まされた。43歳の4年後、母国五輪で再び最年長金メダルの更新を狙う可能性は十分ある。【佐藤智徳】

[2006/2/19/10:08 紙面から]



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