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紙面から

日本転倒4位個人優先のツケ/Sスケート

大津(左)を笑顔で抱きしめる石野(撮影・鈴木豊)
写真=大津(左)を笑顔で抱きしめる石野(撮影・鈴木豊)

<トリノ五輪:スピードスケート>◇16日◇3位決定戦◇女子団体追い抜き

 あと1歩のところで、またもやメダルが逃げていった。スピードスケート女子団体追い抜きで、日本は4位に終わりメダルを逃した。準決勝でカナダに敗れ、田畑真紀、大津広美、石野枝里子の3人で臨んだ3位決定戦では、大津がまさかの転倒でロシアに敗れた。今五輪から採用された新種目の難しさが浮き彫りになった。日本の男子は7、8位決定戦でドイツに敗れ、最下位に終わった。

 「ドスン」という防護マットへの衝撃音とともに、手中の銅メダルがスルスルと逃げていった。4周目。コーナーの先頭交代の際、外側に膨らんだ五輪初出場の大津が、自らの足を引っかけてしまい転倒した。「やってしまった」。顔をしかめ頭を抱えた。周囲の言葉が聞こえないほどパニックだった。

 それでも観衆の温かい拍手が心に響いた。コーチは支えてくれ、チームメートは肩を抱いて慰める。周囲の励ましに、涙が止まらなかった。ただ、転倒時に0秒40ほどのリードがあったことを知ると、悔しさが増した。「チャンスを逃したのは私の責任。本当に何があるか分からない」。大津は無念さをかみ殺した。

 田畑は「ちょうどラップを上げるところだった。先頭交代は難しい」とかばった。「遅れて焦った」と大津。個人種目のダブルトラックなら、ここまで近づいてレースすることはほとんどない。さらに、空気抵抗を避けようと3人ができるだけ接近するため、アクシデントも起こりやすい。疲労と焦りもリズムを狂わせた。

 15日の準々決勝では、ノルウェーの転倒失格で勝利が転がり込んだ。鈴木強化部長は「運もあれば、見放された部分もある」と振り返った。2日間で争われた初の団体戦は、日本女子を含め男女計4カ国の転倒チームが出た。駆け引きの戦術も大きく影響し、石野は「その瞬間でどんな状況になるか分からない」と難しさを口にした。

 男子金のイタリア、銀のカナダはナショナルチーム単位での強化が実った。一方、日本女子のトリノ入り後の事前練習は、わずか1日。個人種目優先の考え方があり「もっと早く団結していれば」の声が上がった。ある男子選手は「企業主体の日本は不利になる。練習すると大きなミスはない」と漏らした。悲劇とともに難しさを露呈した新種目。最後に大津が「これから強化したい。4年後もあるし」と、前向きに話したことが救いだった。

[2006/2/18/09:54 紙面から]



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