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紙面から

条治空白の10分…靴ひも敗因/Sスケート

男子500メートルで前の組の転倒により整氷作業が入り、競技の再開を待つ加藤(共同)
写真=男子500メートルで前の組の転倒により整氷作業が入り、競技の再開を待つ加藤(共同)

<トリノ五輪:スピードスケート>◇13日◇男子500メートル

 予期せぬ10分間に、世界記録保持者の最大の武器が封じられた。1回目、加藤の直前の組で韓国選手が転倒。削れた氷を直す補修作業が行われた。加藤も作業を見ながら、足を動かしていたが「放送に耳を傾けたが(中断が)何分あるか分からなかった」。靴ひもを緩めることはなかった。加藤は「影響がない」と言った約10分間のリンク補修だが、堀井氏は、その大きな影響を指摘した。

 堀井氏「一般的に選手は、出番の5、6組前に靴を履き、靴ひもを縛ってから15分以内でレースを終えるように考えます。加藤は中断を含めると25分ほど履き続けたことになり、11組くらい前から履いていることになります」。

 スケート選手は通常、足の全神経をエッジに集中させるため、靴の中で遊びの部分を作らない。そのため血液の流れが悪くなり、うっ血するほど、きつく靴ひもを縛るなど、デリケートな調整をしている。

 堀井氏「靴ひもを締め続けると、神経を集中する足に研ぎ澄まされたものがなくなり、感覚が鈍くなる。そのため氷に100%の力が伝わらず、スタートダッシュはもちろん、コーナーワークでもズレが生じる。ミリ単位のズレでも100分の1秒を争う種目では、大きなハンディなのです」。

 加藤の土踏まずは特徴的だ。足底筋が異常に発達している。実は幼少時、足の裏がつることに興味を持ち、好奇心が快感に変わり、何度も繰り返したことから出来上がったという。山形中央高の恩師椿監督は「細かい筋肉が密集し、ものがつかめる手のように足が使える。猿のようですよ」と証言する。ミリ単位の細いエッジに体重を乗せてバランスを取るスケート。世界屈指といわれる加藤のコーナーワークを生み出す独特な「足」が殺されていた。

 堀井氏「1回目に比べ、2回目で0秒40も伸びている選手は、まともに滑った中ではほかにはいません。1回目は力を発揮するような状態になかったのです」。

 中断時、加藤より5組後だったチークは靴ひもを緩めていた。「想定はしていたので言い訳にはならない」と今村コーチは話したが、直前のアクシデントはあまりにも不運だった。

[2006/2/15/09:43 紙面から]



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