紙面から
フランスの伏兵ドヌリアズ金/アルペン
<トリノ五輪:アルペンスキー>◇12日◇決勝◇男子滑降
無名のヒーローを生んできたアルペン男子滑降で、今大会も伏兵が金メダルをさらった。今季W杯滑降ランク16位で、2年間も優勝のなかったアントワヌ・ドヌリアズ(29=フランス)が1分48秒80でアルペン競技金メダル第1号となった。今季同ランク1位のワルヒホファー(30)が銀メダルに泣いた。
完ぺきなレースだった。時速120キロ以上のスピードでも、まったくスキーはぶれず、ドヌリアズは弾丸のようにゴールに飛び込んだ。「人生最高のレースだった」。まったく無名の男が、世界の頂点に立ち、両手を突き上げた。ゴール後にトップタイムを確認すると、うれしさのあまり雪上に倒れ込んだ。
前日に行われた公式練習3本目で、トップの1分49秒89をマークし絶好調だった。しかし、実績のなさから、本命ほど早いスタートとなる本番で、出場55人中30番目と屈辱のスタート順に追いやられた。そのハンディを物ともせず、第1チェックポイントから最速タイムをたたき出し、最後までスピードは落ちなかった。
前回のソルトレークシティー大会では同種目で12位に終わった。03年12月のW杯滑降が最後の優勝だった。しかし「昨日、すでにお祝いのシャンペンをオーダーしておいたよ」と、金メダルを確信していたと豪語した。
94年リレハンメル大会では、モー(米国)が生涯最初で最後の優勝を金メダルで飾った。98年長野大会では、W杯優勝経験なしのクレティエ(フランス)が優勝した。無名のスターを生む男子滑降のジンクスは、今大会でもしっかりと生きていた。
[2006/2/13/08:08 紙面から]
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