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紙面から

「車輪の王者」氷上1冠/Sスケート

<トリノ五輪:スピードスケート>◇11日◇決勝◇男子5000メートル

 陸の王者が氷上でも世界の頂点に立った。スピードスケート男子5000メートルで、インラインスケート元世界王者のチャド・ヘドリック(28=米国)が、五輪記録に0秒02と迫る6分14秒68のタイムで、米国に7大会ぶり金メダルをもたらした。日本選手は宮崎今佐人(24)が21位に入ったのが最高だった。

 夢にまで見た氷上での世界王者に、ヘドリックは拳を突き上げた。04年世界選手権総合王者らしく1000メートル以降は1周29秒台のラップを正確に刻み、強さを見せつけた。「今日は最高に乗っていた」と、ゴールした瞬間、会場に響き渡る雄たけびで金メダルを祝った。

 これまで、長距離はオランダが絶対的な強さを誇った。この日も、オランダが誇る世界記録保持者のクラマーが、前の組で6分16秒40の好タイムをマークした。しかし、ヘドリックは、それを2秒近く上回り「クラマーがもっとタイムを出していても、おれはそれを塗り替えた」と豪語した。

 インラインスケートで無敵を誇った。年収は数千万円。しかし「五輪に出たい」と、突然、03年から氷上に転向した。金銭より名誉を求め、世界距離別の5000メートル連覇など、あっという間に氷上で頭角を現した。

 80年レークプラシッド大会でハイデンが達成した5冠に挑む。世界記録を持つ1500、1万メートルはもちろんのこと、1000メートル、団体追い抜きにも出場予定だ。「1個の金メダルだけ取りに来たんじゃない。みんなは、この喜んでる顔を何度も見るだろう」。ヘドリック旋風が、ついに幕を開けた。

 ◆チャド・ヘドリック 1977年4月17日、米国テキサス州スプリング生まれ。1歳でインラインスケートを始め、94年最年少で米国代表入り。00年世界選手権に優勝し、03年にスピードスケートに転向した。04年世界選手権総合優勝。1500メートルと1万メートルの世界記録保持者でもある。180センチ、77キロ。

 ◆インラインスケート 3〜5個の車輪が縦1列に並んでいるローラースケートのようなもの。ローラースケートに比べ、非常に操作性に優れている。一般的には、アイスホッケーの陸上版であるインラインホッケーで有名。スピードを競うレースには、おもに5個の車輪がついた靴を使う。世界選手権は毎年開かれている。

[2006/2/13/08:06 紙面から]



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