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紙面から

静香「カーブ・イナバウアー」表現点UPへ

公開練習でカーブするイナバウアーを披露した荒川(撮影・今村健人)
写真=公開練習でカーブするイナバウアーを披露した荒川(撮影・今村健人)

 金メダルへ、フィギュアスケート女子代表の荒川静香(24=プリンスホテル)がオリジナル技で勝負をかける。背中を大きく反らして銀盤を横に滑る「イナバウアー」を、従来の直線ではなくカーブに変更する。五輪で「見せる」ために取り入れた独自の美技。見る者を引きつけ、トリノを最高の舞台に変える。

 直前合宿地のイタリア・クールマイヨールで11日に公開した練習で見せた。年明けに変えたフリー曲オペラ「トゥーランドット」の後半。銀盤を斜めに入ると、頭が氷に届きそうなほど上体を反り返えらせた。真っすぐ滑りきると思われたが、フェンス手前で左へ緩やかに曲がった。訪れた地元民も、思わずため息を漏らす美しさ。「私がプログラムに入れたいと思っていて、今できる中で、一番いい場所に入れている」と自信をのぞかせた。

 熟考の末の決断だった。04年に世界選手権を制した。しかし荒川は「みなさんは私の一番良い時の印象が強いけど、当時より良い滑りをするのは難しいこと」と苦しい胸の内を明かした。レベルアップするには、新たな挑戦が必要だった。

 各審判員から「なぜ入れないんだ」と求められるステップでもスパイラルでもない美技は、技術点にはならない。反映されるのは表現点。同じ「トゥーランドット」で舞った04年の世界選手権では鋭い直線で横断したが、五輪のために長く、そして美しいカーブへ進化させた。城田監督は「どちらもできるのが荒川の持ち味」と称賛した。

 「これだけイナバウアーに注目してもらえるとは」と笑う荒川は「目指すなら最高のメダル。そのためには最高の出来があってこそ」。04年を超えた時、至福の瞬間が待っている。【今村健人】

[2006/2/13/09:35 紙面から]



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