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「ノーマル」失格の原田、もう1度飛ぶ!

ノーマルヒル予選で失格となり、報道陣に囲まれる原田(共同)
写真=ノーマルヒル予選で失格となり、報道陣に囲まれる原田(共同)

 原田の五輪はこのままでは終わらない。11日のスキー・ジャンプのノーマルヒル(NH)予選で、原田雅彦(37=雪印)はまさかの失格。95メートルを飛んで本戦進出を濃厚にしながら、規定より長いスキー板を使用したことで処分が下された。原田は当初、NH専門として代表に選出。だが、ユリアンティラ・ヘッドコーチはラージヒル(LH)へのエントリーを明かし「チャンスはある」と明言した。得意のNHは思わぬ形で幕を閉じたが、残るLH、団体2戦に懸ける。

 プラジェラートの空はそっぽを向かなかった。原田に出場のチャンスは残されていた。唯一の出場と思われていたNHで失意の失格後、メンバー選考で最大の発言権があるユリアンティラ・ヘッドコーチが救いの手を差し伸べた。「ラージヒルもエントリーしているのでチャンスはある」。

 原田はNH専門として代表に選出された。当初はLH、団体に出場する予定はなかったが、14日以降に設定されているラージヒルの公式練習への参加が決定。そこでまた大ジャンプを見せれば、4人のメンバー入りに視界が開けてくる。

 不可能を可能にする男だ。メンバー入りへ一発勝負となった10日のNH公式練習でも100メートル超えジャンプを3連発。国内大会は絶不調で、三くだり半を突きつけていた同ヘッドコーチに「選んだからには何かを期待していたが、少し驚いた」と言わせた。

 だが、11日の予選は誰も予想できなかった結末が待っていた。95メートルを飛んだ直後に抜き打ち検査を受け、規則違反が判明。国際スキー連盟(FIS)の定めたルールでは、登録身長174センチの原田が使用できるスキー板は身長の146%の254センチまで。253センチの板を使う原田は体重が61キロ以上なければならなかったが、60・8キロと200グラム、牛乳ビン1本分ほど足りなかった。

 失格後、原田はミックスゾーンに戻って説明した。「私の初歩的なミスです。60キロで大丈夫と勘違いしていました。想定外でした」と泣きたい思いをぐっとこらえ、努めて笑顔で話した。勘違いだけに最大の責任は本人にあるが、責められない理由もある。もともと体重が減りにくい体質。しかも今季はW杯に1度も出場しておらず、このルールに不慣れだった。ただ本人は相当反省しており、日本にいる雪印の富井監督へ「自分の認識が甘かった」とメールを送っている。

 またまたがけっぷちに追い込まれたことは間違いない。だが、金メダルに輝いた長野五輪団体、今回の代表入り、そして10日の公式練習でのK点3連発。何度も修羅場をくぐり抜け、奇跡を起こしてきた。足らなかった200グラムも、体重をこまめにチェックすることや水を飲むなど増量してカバーできる範囲内。まさかの失格から団体、LHでのメダル獲得−。日本全国が、そんな逆転ドラマを期待している。まだ、原田の五輪は終わったわけではない。【小林明央】

[2006/2/13/09:34 紙面から]



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