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紙面から

原田まさか失格、痩せ過ぎ違反/ジャンプ

ノーマルヒル予選に出場、規則違反で失格となった原田(共同)
写真=ノーマルヒル予選に出場、規則違反で失格となった原田(共同)

<トリノ五輪:ジャンプ>◇11日◇予選◇ノーマルヒル

 原田に、信じられない大きな落とし穴が待っていた。スキー・ジャンプノーマルヒル(HS106メートル、K点95メートル)の予選が11日、プラジェラートで行われ、原田雅彦(37=雪印)が規則違反で失格になった。予選通過圏内の95メートルを飛びながら、体重に比べて長すぎるスキー板を使ったと判断された。5度目の五輪に上り調子で向かうはずだったが、得意のノーマルヒルが思いもよらない形で終わった。

 わずか200グラムの差だった。「明日は思い切り飛びましょう。頑張りますから」。飛び終えて報道陣に明るく語っていたわずか数分後に、天国から地獄に突き落とされた。原田の場合、スキー靴とスーツを合わせ61キロ以上がルール。それが終了後の計測で60・8キロを指した。

 気を取り直して再び姿を見せた原田は「いわゆる失格です。私の初歩的なミスです。残念です」と努めて淡々と語った。前日の公式練習でも同じ検査を受けてパスしていた。自身で計算し60キロ以上ならOKと判断していたという。五輪出場5度のベテランらしからぬミス、しかも競技人生で初めてという失格を大事な一戦で犯してしまった。「W杯などの出場経験が少なかったから」。ミスを素直に認めた後の一言に本音が含まれていた。

 メダルまでも期待を抱かせるほど上り調子だった。この日、予選前に行われた試技こそ83・5メートルに終わったが、予選ではしっかりK点ジャンプを見せた。ジャンプ前のアナウンスでは、功績をたたえられながら紹介された。「サーティーセブンイヤーズオールド(37歳)、アメージングジャンパー(驚異のジャンパー)、ハラダマサヒコ」。五輪組織委員会の公式雑誌にも大々的に取り上げられていた。

 トリノ入りしてから明るい話題を振りまく一方で、それ以前は苦難の道を歩いてきた。不振脱出のため、2月に入って3日間で札幌・宮の森を約70本飛ぶという、高校生でもしない猛特訓を積んだ。本人も「日本に残って練習したことできっかけをつかんだ」と復調の手ごたえをつかんでいた。雪印の富井監督も「あの最後の3日間で、課題の助走の感覚をつかんだ」と話す。当時、宮の森は閉鎖される予定だったが、原田のため職員の手によってジャンプ台は整備された。情に厚い男は、人々の期待に応えるため、必死だった。

 10日の公式練習では、全員が同じゲートだった3回目で101・5メートルを飛んだ。80人中4位タイの好成績。メダルの可能性も十分にあった。

 原田が得意とするノーマルヒル、日本が楽しみにしていた「原田劇場」は幕を閉じた。この日、試技の低飛行を報道陣から心配された際、「想定内」と明るく応対した。競技後のインタビューでは「想定外」と話し、原田らしさを失わなかったのがせめてもの光だった。

[2006/2/12/09:35 紙面から]



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