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紙面から

大斗、後半距離を棄権/複合

ノルディック複合個人前半飛躍2回目で記録が伸びず舌を出す高橋大斗(共同)
写真=ノルディック複合個人前半飛躍2回目で記録が伸びず舌を出す高橋大斗(共同)

<トリノ五輪:複合>◇11日◇個人後半距離

 今大会日本人メダル第1号を目指したスキー複合個人の高橋大斗(25=土屋ホーム)が、後半戦の距離(15キロ)のスタート前に棄権した。9日の公式練習で痛めた腰が完治せず、得意のジャンプで12位と出遅れた。距離のスタートが、首位と1分56秒の大差となったことで出場を断念。15日の団体、21日のスプリントに備え、無念の棄権を選択した。ジャンプで首位に立ったゲオルク・ヘティッヒ(27=ドイツ)が、初優勝を果たした。日本勢は、小林範仁(23)の16位が最高だった。

 ジャンプを終えた高橋は、少し悲しそうな笑みを浮かべた。「今のところこれ以上は望めない。アプローチを滑っている感覚がまったくない。全身に力が入らない感じ」。この時点で後半距離への希望をなくしていたのか、どこか達観したように話した。

 やれる範囲で飛んだ。腰の違和感の影響で助走路を踏んでいる感覚はなかった。1回目97・5メートル、2回目96メートル。踏み切りでパワーを伝えられず、2回ともK点(95メートル)越えの悪いジャンプではなかったが、高橋にとっては物足りなかった。首位とは1分56秒差の12位。この時点で悲願のメダル獲得は遠のいた。

 苦渋の決断だった。高橋は最後まで出場する考えで距離会場まで足を運んでいた。しかし、ウオテラ・コーチの説得もあり、後半距離スタート1時間前に欠場を決めた。日本の早坂監督は「残念というほかないが、気にすることはない。残る2戦でいい成績を収めるためにも、仕方がなかったと思う」とかばった。

 昨年2月、プレ五輪として当地で開かれたW杯でも、着地の際に固い人工雪の影響で腰を痛めた。「ぎっくり腰少し手前」のケガが長引き、直後の世界選手権では個人スプリントしか出場できなかった。今回もそれと同じ状況だった。防ぎようのないけがなのに「感覚が前と一緒。やった瞬間は『オレはアホだな…。同じ過ちを繰り返して』と思いました」と自分を責めた。

 15日の団体まで中3日ある。21日にはスプリントが控えている。早坂監督は「明日の練習は休んだほうがいいと思う。昨日よりも今日、かなり良くなっていた。もちろん出場する方向でいる」と祈るように話した。高橋の初戦の欠場は日本全体に及ぼす影響も小さくない。それでも、複合日本のエースの意地としてこのままで終わるわけにはいかない。【小林明央】

[2006/2/12/09:35 紙面から]



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