紙面から
グライス金1号「射撃の名手」/バイアスロン
<トリノ五輪:バイアスロン>◇11日◇男子20キロ
トリノ五輪の記念すべき金メダル第1号は、バイアスロン男子20キロのミヒャエル・グライス(ドイツ)に輝いた。前回ソルトレークシティー大会で4冠を達成し、今大会も大本命だったビョルンダーレン(ノルウェー)の猛追を16秒差でかわし、合計タイム54分23秒で大金星を挙げた。「最高のレースだった。ほとんどパーフェクト」。29歳の伏兵が胸を張った。
スタートから最高の出足を見せた。射撃第1射を終わって2位につけ、第3射終了時点まで、その座を守った。第4射終了時点でついにトップに躍り出て、そのまま逃げ切った。「この数日、最高の状態だった。特に射撃をよく練習した成果が出た」。20個の標的中、外したのはわずか1個。「射撃の名手」の異名を証明した。
前回のソルトレークシティー大会で五輪に初出場した。しかし、最高は10キロの15位だった。昨年の世界選手権20キロで銀メダルを獲得し自信をつけた。昨季の同種目ベストスキーヤーにも選ばれた。それでも帝王ビョルンダーレンを下しての栄冠は信じられなかった。「最後まで金メダルを取れるなんて思っても見なかった」。表彰台の真ん中で、感慨に浸った。
ビョルンダーレンは、今大会で距離の出場も切望しており、最高5個の金メダルも可能だった。しかし、グライスの精密機械のような射撃に、最初の種目から出はなをくじかれた。第1射終了時点で、標的を1発外し出遅れた。結局、合計2発外した射撃のミスが最後まで響き、グライスを追い抜けなかった。
自分の位置は、ゴールしてみなければ分からない。38番スタートだったグライスは、類いまれなる集中力で、初の五輪のメダルを金1号で見事に飾った。
[2006/2/12/06:45 紙面から]
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