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紙面から

大斗練習で腰に違和感

練習を終え会場を引き揚げる高橋大斗(撮影・田崎高広)
写真=練習を終え会場を引き揚げる高橋大斗(撮影・田崎高広)

 トリノ五輪はいよいよ今日10日(日本時間11日未明)開幕する。11日の個人で日本勢金メダル第1号の期待がかかるスキー複合の高橋大斗(25=土屋ホーム)は、9日のジャンプ会場のプラジェラートで行われた公式練習で腰に違和感を感じ、試技を1回で取りやめた。大事をとっての措置で出場に問題はないが、昨年もトリノ五輪テスト大会のW杯でも事前練習で腰を痛めて棄権している。アルプスおろしの吹く鬼門のジャンプ台攻略が、メダルへの鍵を握る。

 2回目の試技に高橋の姿はなかった。1回目にK点(95メートル)を越える97・5メートルを飛んでいただけに、感触をつかんだことから早々に切り上げたものと思われた。だが、実際は腰に違和感を感じ、自己申告で2回目以降のジャンプをキャンセルしていた。先に車で約20分のセストリエールに帰り、午後の距離練習も見送った。

 高橋に代わって日本の成田ヘッドコーチが説明した。「前回は違和感を感じてから2、3回飛んだので悪化した。今回は変に大きな問題じゃない」。選手村ですぐに日本選手団の医師に診察を受けたところ、大きな問題もなく、初戦となる11日の個人戦には出場する。

 それでも不安はつきまとう。昨年2月に同地で行われたW杯では練習で腰を痛め欠場。その後の世界選手権にも影響を及ぼし、個人、団体の2戦を回避した。前日8日の公式練習後も「1回目はかなり腰に衝撃を受けた」と話しており、どうにも高橋とは相性が悪い。今日10日の最後の公式練習もコーチ陣と話し合いの上、参加を決める。

 これも風の影響が大きい。プラジェラートの台は、標高1528メートルの高地にある。問題はその位置。標高2000メートル級の山々に囲まれた谷間の北斜面あり、風の影響をまともに受ける。「アルプスおろし」が台の後ろから吹きつけ、助走速度がおのずとアップする。

 高橋の1回目の助走速度は91・3キロとラージヒル並みだった。阿部コーチは「追い風だから、落ちるときのスピードが速く、衝撃が強い」と説明する。特にジャンプが得意な高橋にとっては、K点を大きく越えた場合は平地に近く、かなりの衝撃を受ける。遠くへ飛べば腰を痛める可能性があり、飛ばなければ勝てない。まさに「もろ刃の台」だ。

 だが、難しい台になればなるほど燃えるのが高橋。「テクニックがしっかりしている選手に有利。勝負できる台だと思う」。この魔の台を克服したとき、メダルは高橋の手中に収まる。【小林明央】

[2006/2/10/09:31 紙面から]



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